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特集「M&Aを正しく活用する時代」

第15講 事業承継・資金調達でM&Aを活用するなら 登録支援機関とガイドラインを確認すべき理由

M&Aを正しく活用する時代 第15講

事業承継・資金調達でM&Aを活用するなら
登録支援機関とガイドラインを確認すべき理由

中小企業のM&Aは、事業承継、成長資金の確保、資本提携、新規事業参入の手段として広がっています。 その一方で、仲介契約、手数料、利益相反、最終契約、経営者保証をめぐるトラブルも増えています。

M&Aを安全に進めるためには、M&A支援機関登録制度と中小M&Aガイドラインの意味を理解し、信頼できる支援者を選ぶことが不可欠です。

M&Aは、会社そのもの、または事業そのものを引き継ぐ取引です。 不動産売買以上に、財務、税務、法務、労務、許認可、金融機関対応、経営者保証、PMIまで、複合的な専門性が求められます。

しかし、M&A仲介・FA業務には、宅地建物取引業のような包括的な免許制度がありません。 そのため、経営者は「誰に相談するか」を慎重に見極めなければなりません。

1. M&Aの仲介・FA業務の適正化に向けた登録支援機関制度

M&Aの仲介やフィナンシャル・アドバイザリー、いわゆるFA業務には、宅地建物取引業のような免許制度はありません。 一方で、M&Aは企業や事業そのものを対象とするため、売り手・買い手の双方にとって、極めて大きな経営判断になります。

ところが、M&Aでは動く金額が大きく、手数料体系も複雑です。 レーマン方式、最低手数料、着手金、中間金、成功報酬など、依頼者が十分に理解しないまま契約してしまうと、後に大きなトラブルになることがあります。

こうした問題を踏まえ、中小企業庁は2020年3月に「中小M&Aガイドライン」を策定しました。 その後、M&A専門業者の増加、手数料説明の不十分さ、利益相反、最終契約をめぐるトラブルなどを踏まえ、ガイドラインは改訂され、現在は第3版が公表されています。

初版

中小企業の第三者承継を円滑に進めるため、M&Aの基本的な手続きと留意点を整理。

第2版

仲介契約・FA契約、手数料、重要事項説明など、M&A専門業者に求められる規律を強化。

第3版

手数料説明、営業・広告規律、利益相反、最終契約リスク、経営者保証、不適切な譲り受け側への対応を強化。

M&A支援機関登録制度は、この中小M&Aガイドラインの遵守を宣言した支援機関を登録し、依頼者が支援者を選ぶ際の参考情報を提供する制度です。 登録支援機関の情報はデータベースで公表され、手数料体系や業務内容などを確認できる仕組みが整備されています。

経営者が確認すべきこと: 登録支援機関であるかどうかだけでなく、仲介なのかFAなのか、誰の利益を代理するのか、手数料はどの基準で計算されるのか、最低手数料はいくらか、成約後の支援まで行うのかを確認することが重要です。

2. 登録支援機関への依頼と、補助金活用の考え方

M&Aを検討する中小企業にとって、専門家費用は大きな負担になります。 そのため、事業承継・M&Aに関する補助金を活用し、専門家費用の一部を補助対象とできる場合があります。

ただし、「登録支援機関に依頼すれば、必ず手数料が補助金で賄える」という意味ではありません。 補助金には、公募期間、対象者、補助対象経費、補助率、上限額、事業計画、電子申請、採択審査、実績報告などの要件があります。

  • 補助金の公募期間内に申請する必要がある
  • 申請すれば必ず採択されるわけではない
  • 登録支援機関の活用が要件となる類型がある
  • 補助対象となる経費と、対象外となる経費を確認する必要がある
  • 交付決定前に契約・発注した費用が対象外となる場合がある
  • 採択後も実績報告や証憑管理が必要になる

したがって、M&Aを検討する段階では、支援者の選定と同時に、補助金を使える可能性があるかを早めに確認することが重要です。 特に、事業承継、会社売却、事業譲渡、買収、資本提携、専門家活用を検討している場合には、補助金の公募要領を確認しながら、申請スケジュールを組む必要があります。

実務上の注意: 補助金は、M&A費用を後から自動的に補填してくれる制度ではありません。 申請前の準備、交付決定の時期、契約締結のタイミング、支払証憑、実績報告までを一体で管理する必要があります。

3. M&Aには宅建業のような免許制度がないからこそ、支援者選びが重要になる

不動産取引には宅地建物取引業法があり、宅地建物取引業免許、宅地建物取引士、重要事項説明、報酬上限などの制度があります。 しかし、M&A仲介・FA業務には、これと同じような包括的な免許制度はありません。

そのため、M&A支援者を選ぶ際には、単に「買い手を紹介できる」「高く売れると言っている」「成功報酬だから安心」といった理由だけで判断してはいけません。 M&Aでは、支援者の説明不足や利益相反が、経営者に大きな損失を与える可能性があります。

特に確認すべき論点

  • 仲介契約なのか、FA契約なのか
  • 売り手・買い手の双方から手数料を受け取るのか
  • 手数料の基準価額は、株式価値なのか、企業価値なのか、移動総資産なのか
  • 最低手数料、着手金、中間金、月額報酬の有無
  • 専任契約か非専任契約か
  • 秘密保持、情報管理、候補先への開示範囲
  • 最終契約、経営者保証、表明保証、補償条項への関与範囲
  • 成約後のPMI支援まで行うのか

なお、M&A支援の一部には、弁護士、税理士、公認会計士、司法書士、社会保険労務士などの独占業務に関わる領域があります。 M&Aアドバイザーは、必要に応じてこれらの専門家と連携し、依頼者に誤解を与えない形で支援する必要があります。

今後、M&A支援業務に対する規律はさらに強まっていく可能性があります。 少なくとも、現在の中小M&Aガイドライン第3版が求めている説明責任、利益相反管理、手数料説明、最終契約リスクへの対応は、M&A支援者にとって実務上の最低限の基準になりつつあります。

4. URVプランニングサポーターズも、登録支援機関としてガイドライン遵守を宣言しています

URVグローバルグループの株式会社URVプランニングサポーターズは、M&A支援機関登録制度に基づく登録支援機関として、中小M&Aガイドラインの遵守を宣言しています。

私たちは、M&Aを単なる売却・買収のマッチングとして捉えていません。 事業承継、成長資金の確保、資本提携、投資企業との連携、買収後のPMIまでを視野に入れ、経営者にとって本当に意味のあるM&Aを設計することを重視しています。

ガイドライン遵守

中小M&Aガイドラインに基づき、手数料、契約内容、利益相反、説明責任を重視します。

成長戦略としてのM&A

会社を売るためだけでなく、会社を伸ばすための資本提携・M&Aを設計します。

PMIまで視野に入れる

成約後に企業価値を高めるため、買収後の経営統合や組織整備まで見据えます。

中小企業庁「中小M&Aガイドライン」遵守宣言は、以下のページでご確認いただけます。

中小企業庁「中小M&Aガイドライン」遵守宣言はこちら

M&Aで最初に選ぶべきなのは、買い手でも売り手でもありません。
経営者の利益を守り、成約後の未来まで見据えて伴走できる支援者です。

成長企業M&Aサービスのご紹介

強い成長を目指す企業と、投資によって新規事業参入を目指す企業を、資本提携・M&Aの手法で結びます

成長企業M&Aアドバイザリー

成長企業M&Aとは、成長期にあるベンチャー企業・中小企業と、投資企業・事業会社を結び、企業の飛躍的成長を実現するために、M&A、資本提携、マイナー出資、事業提携などを組み合わせる手法です。

URVグローバルグループは、単なる売却・買収の仲介ではなく、成長戦略、資本政策、企業価値向上、PMIまでを視野に入れたM&Aアドバイザリーを提供します。

成長企業M&Aサービス詳細はこちら

本稿の著者

松本尚典

URVグローバルグループ 最高経営責任者 兼 CEO
株式会社URVプランニングサポーターズ 代表取締役 兼 エグゼクティブコンサルタント

松本 尚典

  • 米国公認会計士
  • 一般財団法人M&Aアドバイザー協会認定M&Aアドバイザー

日本の大手銀行、ニューヨーク・ウォール街での金融系コンサルティング業務を経て、日本国内の大手企業数社で役員を歴任。 M&A大国である米国において、クロスボーダーM&AやTOB案件に関与し、日本国内でも投資企業側の責任者として複数のM&A案件を推進してきた実務経験を有する。

2015年に、URVグローバルグループのホールディング会社であり、経営支援事業を本業とする株式会社URVプランニングサポーターズを設立。 多くの中小企業経営者の経営顧問・監査役として、成長戦略、資本政策、M&A、PMIに関わる。

投資企業側の事情と、投資を受ける成長企業側の事情の双方に精通する経験を活かし、成長企業への投資・資本提携に特化した成長企業M&Aアドバイザリーを展開している。

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