焼肉黒田
飲食コンサルティング
新型コロナによる、自粛という危機をチャンスに変え、店の味・メニューから、サービスを根本的に変更して、大きく客単価を向上させるイノベーションに、ご支援をいただきました。
焼肉黒田
株式会社アットジーセンスエンターテイメント
代表取締役社長 森田 恭平様
支援を受けるきっかけ
株式会社アットジーセンスエンターテイメントは、2022年現在、都内と沖縄に4店舗の飲食業を経営しています。その中で、東京渋谷の円山町に店を構える焼肉黒田は、当社のトップブランド店と位置付けています。
私は、別の飲食業態から、焼肉業を開業することに挑戦し、焼肉業で経験をしてきたスタッフを、過去、厨房に採用をしておりました。しかし、焼肉黒田だけの特徴が打ち出せずに、焼肉業をスタートしました。
そして、店は、開業から短期間で、新型コロナ禍に見舞われました。
弊社は、全店舗で、飲食業の自粛要請を忠実に守りました。そして、店を開店できる期間の営業を通じて、お客様の志向は、「お家志向」に移ってきたことを、私は、ひしひしと感じました。
他の店でも食べられる料理では、今後、お客様に、焼肉黒田を選んでいただくことができないのではないかという強い危機感を覚えたのです。
時がたてば、コロナ禍は終わるでしょう。しかし、お客様の飲食業に対する目は、コロナ前に比較して、断然、厳しくなると飲食業界では言われています。
これを乗り越えなければ、店は潰れてしまうのではないかと悩みました。
丁度、その時、株式会社アットジーセンスエンターテイメントが出資するIT企業が、株式会社URVプランニングサポーターズの松本代表に、監査役をお願いしておりました。
松本代表は、アメリカで経営コンサルタント・公認会計士としての経験を積まれ、日本の大企業の取締役の経験を積まれた後に独立して、URVグローバルグループを率いておられました。
そして、同時に、飲食事業にも投資し、それをM&Aで売り抜けながら、事業を大きくされてきた、という、飲食事業のベテラン経営者でもあります。そこで、そのIT企業の社長から、松本代表をご紹介いただきました。
そして、その時、松本代表から、URVグローバルグループで、株式会社TJ TAKANO JAPANを経営する高野誠代表をご紹介いただきました。
高野誠代表は、大手焼肉飲食事業を展開する企業で、厨房経験を豊富に積み、商品開発実績を持ち、そこから、その企業の海外店舗の立ち上げを数か国経験されて、現地法人の社長になられたという、焼肉のプロです。
そこで、松本代表と高野代表に飲食コンサルティングのチームを組んでいただき、焼肉黒田の立て直しを御支援いただくコンサルティングを依頼致しました。
事業戦略の見直し
まず、松本代表は、黒田の賃料や人件費などの固定費と、現状の売上を分析され、根本的な経営方針の変更をご示唆いただきました。そして、そこに沿って、高野代表が、メニューと商品開発のやり直しを、厨房に入って、直接、ご指導いただきました。
初めに、高野代表が、黒田のコンセプトやお客様の層を考慮したうえで、厨房に入って、私たちが観ているまえで料理し、試食をしたとき、社員一同が、
「なにこれ! ものすごく美味い!」
と感激をしました。
同じ素材を使っても、調理の手順を変えるだけで、味が全く変わってくるということも体験し、
「これが本当のプロの料理人だ。」
と、感心をしたわけです。
厨房指導の様子
高野代表の指導を受けるうちに、私も、それまで、焼肉の味に対する情熱が、薄かったことに気づきました。
これまでの黒田も、渋谷区の中では、かなり美味しい焼肉店であったと自負しておりました。
しかし、黒田でなければ、食べられない焼肉の店であったかといえば、そうではなかったということに、思い至りました。
弊社は、中小企業であり、飲食の大企業が行うような、投資を真似することはできません。
大手企業であれば、幅ひろい客層をターゲットに、大量仕入れでコストを大幅に下げ、そこそこ、美味しい料理を大量調理で出し、低価格でも利益をとって、店舗を拡大し、事業を成長させることができるでしょう。
しかし、飲食の中小企業は、大手のような経営の仕方を、真似たのでは資金的に息詰まってしまいます。
そうであれば、大手が仕入れられない質の高い原材料を、高い調理力で付加価値をつけ、店舗でのサービスに拘り、そのうえで、黒田のファンになっていただく方に食べていただくという方法でなければ、利益もとれないことに、私は気付きました。
黒田にご来店いただかなければ食べられない焼肉と、黒田ならではのサービスに、徹底的にこだわることの大切さを、私は高野代表の料理から、学びました。
黒田は、同時に、株式会社TJ TAKANO JAPANを通して、常陸牛の取扱店の登録をさせていただき、常陸牛というブランド牛をお出しする店に致しました。
新型コロナ禍で、店は自粛を余儀なくされましたが、私は、これを機会ととらえて、社員一同を結束し、高野代表のご指導を基礎にした、自社での調理開発と、調理トレーニングを積みました。
そして、出来上がった商品を、松本代表が代表取締役を務める、株式会社URVテクノインテリジェンスのマーケティング支援事業部門にお願いして、新メニューにデザインしていただきました。
焼肉黒田 新メニュー デザイン
そして、新型コロナの自粛が明けると同時に、新生焼肉黒田を、再開することができたのです。
顧客単価の急上昇と、お客様の感嘆の声
メニューも、仕入れも、料理も、サービスも一新した新生黒田を再開し、お客様の反応は、「黒田、変わったね!」
と、非常に、好印象。
焼肉や料理の味も、常連のお客様からお褒めのお言葉をいただくようになりました。
それにつれて、客単価も大きく上昇。限られた席数の中でも、結果的に、売上を上昇させることができました。
これまでは、売上をあげようとランチの御提供もしておりましたが、厨房での仕込みに、より手間をかけるため、ランチを停止。それでも、売上は、大きく上昇をしています。
今後の方針
今のイノベーションは、松本代表や高野代表のお力を借りて、成功しました。
しかし、お客様は、決して同じ料理を食べ続けてくださいません。飽きがくるでしょう。これに備えて、焼肉黒田の料理を、更に、進化させ続けていきたいと思います。
社員の意識も、大きく変わりました。この社員の意識変化を、アルバイトの全員に徹底し、他にはない、最上のサービスができる店に、焼肉黒田をしていきたいと思います。
中小飲食企業には、大企業とは違う戦い方がある、ということを、学ばせていただきました。是非、今後も努力を続け、焼肉黒田を、オンリーワンのお店に育てていきたいと思います。
今後とも、是非、URVグローバルグループさんのご支援のお力をお借りして参りたいと感じております。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
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